Nov 22, 2010

Clinical Cancer Advances 2010

* 放射線治療による癌の再発リスク低減に関する研究によって、早期乳癌と診断された女性に対する3週間の少分割照射は、通常の5週間の放射線治療と同様に再発を予防することが示された。

* QOL向上をもたらすレジメンに関する研究。進行した肺癌の患者に、診断直後から標準的な化学療法と緩和ケアを併用すると、化学療法のみの場合に比べ生存期間が有意に延長し、QOLも向上することが示された。

* 薬物療法の進歩。進行膵臓癌に第1選択としてFOLFIRINOX(5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチンの組み合わせ)を用いると、奏効率、無増悪生存率、全生存率が向上することが明らかになった。

* 注目されていなかった重要な有害事象を発見。化学療法を受ける癌患者の約80%は睡眠障害を経験することが明らかに。睡眠障害に対する介入法の確立が急がれることを示した。

* 治療が難しい癌の患者の無増悪生期間の延長に成功。化学療法とベバシズマブ併用後、ベバシズマブの投与を長期間継続する方法が卵巣癌患者の無増悪生存期間を延ばす最も良い方法であることが示された。報告書は 以下の進歩についても論じている。

*モノクローナル抗体製剤イピリムマブが進行メラノーマ患者の生存率を向上させた。治療が非常に難しい進行メラノーマの領域では大きな進歩。

*分子標的治療薬クリゾチニブは、ALK遺伝子に特定の変異を有する癌患者の多くに腫瘍の縮小をもたらすことが明らかになった。

*初期段階の臨床試験で、BRAF阻害薬PLX4032がBRAF遺伝子に特定の変異を有する進行メラノーマ患者の多くに腫瘍の縮小をもたらすことが示された。

*化学療法の併用は、高齢の進行肺癌患者の生存率を向上させ、忍容性も高いことが示された。

*米国では過去数年間継続して癌の罹患率と死亡率が低下していると報告された。

*米食品医薬品局(FDA)が進行前立腺癌を適応としてカバジタキセルとシプロイセル-Tを承認した。