欧米ではこれまで、空腹時血糖(FPG)や経口ブドウ糖負荷試験(oral glucose tolerance test;OGTT)による糖尿病診断を行ってきた。シンポジウムで、診断基準におけるHbA1cの活用について検討してきた専門家委員会委員長の David Nathan氏(ハーバード・メディカル・スクール、写真)は、この2つの指標とHbA1cを比較検討した試験結果(DETECT-2など)を解説しつつ、HbA1cの指標としての優位性およびHbA1c測定法の有用性を強調し、新たな診断基準にHbA1cを採用した根拠を示した。
特に、(1)糖尿病の基本的概念である持続性高血糖は、空腹時血糖値や食後2時間血糖値などでは代表できず、現行の指標の中ではHbA1cが最も適切である、(2)HbA1cの測定は、空腹時採血や負荷試験を必要としない、(3)現行の治療目標はHbA1cに基づいており、診断でもHbA1cを使った方が診断と治療の間に連続性が認められる−−などを指摘、HbA1cによる新診断基準への理解を求めた。
HbA1cのカットオフ値については、4月にDiabetologia誌で発表された「Relationship between glycated haemoglobin and microvascular complications: is there a natural cut-off point for the diagnosis of diabetes?」の成果を提示。「6.5%以上」との結論に至った根拠を解説した。
Jun 13, 2009
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