Aug 5, 2007

American League West

マカフィー・コロシアム(アスレチックス)

 1962年、NFL(米ナショナル・フットボールリーグ)レイダースの本拠地として誕生。68年にカンザスシティーから移転したアスレチックスが共用するようになった。現在では珍しくなったフットボールとの兼用球場で、そのためにメジャーで最もファウルエリアが広く、また屋外球場でスタンド最上部に日よけ屋根のない唯一の球場。老朽化し、観戦しづらい施設が嫌われて観客動員が低迷。公式戦では3万4077人に抑えられ、フットボール用に増設された外野の上階席部分はシートで覆われている。米国では珍しくドラムを使った「鳴り物」の応援があるが、プレー中には中断される。公式戦で最も人気があるのはジャイアンツとの「ベイエリア・シリーズ」。この対戦は伝統の一戦で、シリーズではアスレチックスの2勝1敗、交流試合(インターリーグ)ではジャイアンツが29勝27敗で勝ち越している。なお2011年からは、待望の野球専用新球場シスコ・フィールドがオープンする予定だ。



エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイム(エンゼルス)

 1961年に球団数拡張でロサンゼルスに誕生したエンゼルスは、ディズニーランドのあるオレンジ郡アナハイム市に新球場を建設し、66年4月にオープン。一時、NFL(米ナショナル・フットボールリーグ)ラムズと共用したため、6万5000人近くまで収容能力が拡大した。しかし、ラムズがセントルイスに移転した後、野球専用球場に再改築され、97年にリニューアル・オープン。この際、フィールドの形状も左右非対称に改められた。2004年から現在の球場名に変更。開場当初、ニックネームの頭文字「A」をかたどった巨大なスコアボード「BIG A」がレフトスタンド後方に位置して名物になったが、現在は駐車場に移動し案内板として利用されている。97年の全面改築後、球場内の名物となっているのはセンター後方にある巨大な岩石群で、エンゼルスの選手が本塁打を打つと高さ27mの噴水が上がる仕組みになっている。これは、当時の経営母体だったウォルト・ディズニー社によってプロデュースされたもの。球場の住所に使われているジーン・オートリーは、往年のカウボーイスターでカリフォルニア州で放送局などを経営し、エンゼルスの初代オーナーとなった人物。球団はオートリーの功績をたたえて「26」の背番号を贈り、大投手ノーラン・ライアンの「30」などとともに永久欠番に指定。ライトスタンド後方に飾られている。



レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン(レンジャーズ)

  1994年4月、レンジャーズの新本拠地「ボールパーク・イン・アーリントン」として開場。2004年にネーミングライツで改称されたが、07年の開幕前、「レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン」への再改名を発表した。外野はメジャーの球場としてほぼ平均以上の広さだが、猛暑で空気が乾燥することが多いため、本塁打量産型、打者有利の球場と言われている。01年以降の6シーズンでチーム本塁打200本以上が5回もあるが、オープンした94年には当時在籍していたケニー・ロジャース(現タイガース)が完全試合を達成。また95年に開催されたオールスターゲームでは、野茂英雄(当時ドジャース)がナショナルリーグの先発投手を務めた。97年にはジャイアンツを迎えて史上初の両リーグ公式戦交流試合(インターリーグ)を開催。本塁打が乱舞するため、外野席が人気だ。芝が敷き詰められたセンターのバックスクリーンに本塁打が飛び込むと、両側の観客席からファンが飛び込んでボールの争奪戦を演じるのが名物。外野後方にあるヨーロッパ風の建物はオフィスビルで、1階に売店やレストラン、4階には球団事務所が入居。球場内には「Legends of the Game Museum」があり、奪三振王ノーラン・ライアンらレンジャーズOBを含めた野球界の主要なヒーローにまつわる記念品などが展示されている。



セーフコ・フィールド(マリナーズ)

 1999年7月、マリナーズにとって2番目、シアトルのメジャー本拠地としては3番目の球場としてオープン。全米で2番目の開閉式屋根付き天然芝球場だが、同形式の物としては唯一、空調設備を持たない。重さ約1万トンの屋根は展開、収納に20分を要する。最新の設備を誇りながら、外観、内装とも徹底して新古典主義のデザインが貫かれ、内外野を一周する巨大なコンコースは、西部開拓史時代を思わせるムードに満ちあふれている。イチロー、城島健司が活躍するチームらしく、すしバーも開かれている。また、レフトスタンド後方には鉄道が走り、貨物列車が通過する際、ごう音が球場中に鳴り響くのは日本でもすっかりおなじみの光景。フィールドと観客席との距離をできるだけ縮めるよう工夫しているのもこの球場の特徴で、外野にあるブルペンはコンコースに面しており、ファンが投球練習を金網越しに見られる。三塁側スタンドにあるチームストアはメジャーの球場内にある施設としては最大級で、ここでイチローグッズを大量に買い込むファンの姿は風物詩になった。2004年10月1日、イチローはこの球場でメジャー年間最多安打新記録となる258本目のヒットを放ち、最終戦でその数を262にまで伸ばした。

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