毒素
シガテラを引き起こす毒素はシガテラ毒と呼ばれ、シガトキシン、スカリトキシン、マイトトキシン、シガテリンなどが知られている。シガトキシンは熱に対して安定であるため、一般的な調理では毒素を熱分解できず、従ってシガテラ中毒を防ぐことはできない。またこれらの毒素は魚の味に影響を与えない。
中毒症状・症例
シガテラは1-8時間ほどで発症し、症状としては吐き気、めまい、頭痛や筋肉の痛み、麻痺、感覚異常、冷たさに対する感覚が正常でなくなるドライアイスセンセーション症状といった神経系の障害のほか、下痢、腹痛、嘔吐などの消火器系の障害。血圧異常や心拍数異常などの循環器障害がある。効果的な治療法が未だ確立されておらず、後遺症の回復に、数ヶ月から1年程度を要する。日本国内で死亡例はないが、海外では数例が報告されている。また軽微の中毒の場合、受診、報告なども無い場合が多く、中毒例は想像以上に多いと思われる。。
保有生物
シガテラ毒の主な保有生物はバラフエダイ、ウツボ、カマス、サザナミハギ、ギンガメアジ、オニカマス、イシガキダイ、ブリなど、400種類以上にのぼる。重篤な症状は食物連鎖によるシガテラ毒の生物濃縮が原因であるため、バラフエダイ、ウツボ、カマスやブリなど食物連鎖の上位に位置する魚類が危険である。必ずしも全ての魚がシガテラ毒を持っている訳でなく、また連鎖の低位にある生物であっても危険な場合がある。沖縄県衛生環境研究所の調査では、シガテラ毒に関して沖縄地方では幾つかの言い伝えがあるが、『すべてにおいて否定的な結果』としている。また同一魚種でも個体差、地域差があり、中毒魚の予測は困難であり、毒性を持った魚を外見で見分けることはできない。
発生域
シガテラ毒を生成する渦鞭毛藻は生息範囲が限られるため、シガテラは特にカリブ海などの熱帯域、日本では主に沖縄地方で見られる。有毒渦鞭毛藻が多く分布するサンゴ礁で捕獲された魚が特に危険である。
日本では沖縄地方が主な発生地であったが、近年では発生域が北上し本州でも事例が報告されている。 これは温暖化に伴う原因プランクトンの生息域拡大によるものと考えられている。本州では千葉県において中毒が発生しており、勝浦市近辺において水揚げされたイシガキダイの料理によるシガテラ中毒について、製造物責任法に基づき料亭に損害賠償責任を認めた事例がある
Aug 18, 2008
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