「おサイフケータイ」など日本が先行する高度な無線通信技術を海外へ売り込むため、総務省と業界団体が推進体制を構築し、ミッション派遣などに乗り出すことが18日分かった。すでに対象の8技術を「戦略的ワイヤレスシステム」として選定済みで、9月にアクションプラン(行動計画)を公表し、取り組みを本格化する。
携帯電話など日本の無線通信機器メーカーは世界トップクラスの技術力を誇る半面で、海外では市場開拓への取り組みが遅れ、知名度も低く勢力を伸ばせないでいるのが実情。このため総務省は、日本発の独自技術や、日本企業が得意な技術について海外に利用を働きかけ、技術規格や製品の輸出に結びつける考えだ。
具体的には、総務省の有識者会議と、無線関連の業界団体である電波産業会の国際普及部会が連携して行動計画を策定。アジアを中心とした各国で、セミナーの開催や、人材交流を深める活動などを通じて市場を開拓する。その一方で、国内では対象となる技術の開発を強化し、国際競争力を向上させる。
海外への売り込みで、成果が最も期待されるおサイフケータイは、携帯電話に非接触ICカード技術「フェリカ」を組み合わせ、店頭などで電子マネーとして決済ができるシステム。NTTドコモが商用化した後、KDDI(au)とソフトバンクも採用、幅広く利用されている「日の丸技術」だ。しかし、海外ではフェリカ単独の採用事例は増えているものの、携帯電話に搭載された実績はない。フェリカとともにおサイフケータイの技術導入が進めば、日本メーカーの携帯端末や部品の販路拡大につながると期待される。
戦略的ワイヤレスシステムとしてはこのほかに、GSM機能付き第3世代携帯(3G)▽FM多重システム(VICS)▽防災無線システム▽次世代PHS▽次世代高速無線「WiMAX(ワイマックス)」▽次世代携帯電話(3・9G)▽第4世代携帯(4G)−が選定された。
Aug 19, 2008
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