Sep 21, 2008

Car license

日本の運転免許保有者が、無試験で台湾の運転免許を取得できる新制度が来月1日からスタートする。日本の免許保有者はこれまでも、中国語の翻訳証を持っていれば台湾で自動車を運転することができた。ただ入境後1年以内といった制限があるため、長期間台湾に滞在する者には今回の規制緩和により利便性が向上する。

交流協会が19日に発表したところによると、台湾免許への切り替えは、1年以上台湾に居留する者が対象となる。事前に身体検査を受け、交流協会が発行する日本免許の中国語訳文、居留証などを持参して、台湾各地の運転免許センターで手続きを行う。その際には学科試験や技能試験が免除される。

台湾の免許証の有効期限は在留許可の満了日まで。在留延長が認められた時は、運転免許センターに申請すれば、免許の期限も延ばすことが可能だ。運転可能な車種は、日本の免許と同等となる。

日本の免許保有者の台湾における運転は、昨年9月から中国語翻訳文を持っていれば認められてきた。ただ同措置はあくまで国際免許の代替措置との位置付けで、入境後1年以内といった制限があった。出張などで頻繁に日本へ帰国する在台邦人にとっては、その都度有効期限が伸びるのでさほど不便はないかもしれないが、「交通違反があった際に、日本の運転免許が没収されるなどの行政処分を受ける可能性もある」(交流協会関係者)ため、利便性はより向上すると言える。

■台湾側のメリット大

今回の拡大措置も前回同様、日台相互で実施される。台湾の免許保有者は、日本の運転免許センターで実技、学科試験免除で日本の免許へ切り替えることが可能になる。台湾の免許保有者も昨年9月から日本語訳文を使って日本で運転することはできたが、有効期限の規制がより厳しかったため、今回の措置は台湾免許保有者にとって比較的メリットが大きい。

なお日本人が台湾で免許を取得、帰国後に日本の免許へ切り替えることも可能。ただ台湾での免許取得後、台湾に最低3カ月滞在することが義務付けられている。

■1年間の安全運転を評価

今回の拡大措置は、この1年間の翻訳文での運転実績を見て、日台双方が「交通安全で問題はない」と判断したことにより実現した。日本が海外の運転免許からの無試験切り替えを認めているのは、英国など西欧諸国を中心にオーストラリアや韓国など22カ国のみ。警視庁は、日本に滞在する台湾人は英国人など西欧諸国よりも多いことを考慮し、1年間の「経過期間」を経て規制拡大に踏み切った。台湾側は従来から緩和に積極的だったとみられる。

■制度利用、邦人は3千件

運転に必要な翻訳文の過去1年間における発行数を見ると、日台で大きな開きがある。

交流協会によると、日本の免許の中国語翻訳文発行数は、同会台北事務所が1,230件(9月11日時点)、高雄事務所が476件(9月18日時点)、日本自動車連盟(JAF)が1,101件(7月18日時点)で、日本の免許を利用して台湾で運転した者はこの1年間で約2,800人ということになる。

一方で台湾免許の日本語翻訳は、交流協会が発行したものは1万650件、JAFは542件。これに台湾の運転免許センターの一部で発行されたものが加わるため、制度の利用実績は台湾人が日本人を上回っていたことが見て取れる。

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