Jun 8, 2007

American League Central Memo

メトロドーム(ツインズ)

1982年にツインズとNFL(米ナショナル・フットボールリーグ)バイキングスの共用スタジアムとしてオープン。現在、ワールドシリーズとスーパーボウルの2大イベント開催の経験を持つのは、こことドルフィン・スタジアムの2か所だけになった。東京ドームのモデルとなった室内球場として知られている。空気圧と乾燥の関係で打球がよく飛ぶと言われており、「ホーマー・ドーム」の異名を持つ。ツインズがワールドシリーズに出場した80年代後半から90年代初めにかけては、ツインズの攻撃のとき意図的に「追い風」を吹かせていたとの証言も。もともとフットボール優先で設計されたため、左中間に比べて右中間までの距離が短く、レフト側の2.1mに対し、ライト側のフェンスは7mもある。2003年の地区シリーズで松井秀喜が放ったライト2階席への一発は、この球場における最長飛距離本塁打の一つに数えられている。本来は6万3000人の収容能力を持つが、観客動員が低迷していたこともあり、野球の公式戦開催時には外野2階席にカバーがかけられる。名物はファンが応援のために振り回す「ホーマーハンキー」。待望の新球場が10年までにオープンの予定だ。


コメリカ・パーク(タイガース)

 昨年、長年の低迷を脱して久々のワールドシリーズ進出を果たしたタイガースの本拠地として2000年4月に開場。前年まで使用していたタイガー・スタジアムが典型的な打者有利の構造だったことから、外野フェンスまでの距離を長く取った。その結果、タイガースの本塁打数が激減し不評を買ったため、04年から左中間のフェンスを120.4mから112.8mに短縮。しかし、依然として本塁打の出にくい球場の一つだ。左翼スタンドの後方にはチームの永久欠番(背番号がなかった時代に活躍した選手の欠番扱いも含む)に輝いた歴代の名選手たちの背番号が掲示され、その上部には各選手の銅像が建てられている。スコアボードの上にある虎の像は、タイガースの選手が本塁打を打つと目が光る仕組みになっており、球場内のいたるところに虎の像が飾られている。スタンドのメインコンコースには「The Big Cat Food Court」と呼ばれる飲食店のコーナーがあり、チームストア「Tiger Retails」にはタイガースのグッズを求めて長蛇の列ができる。100マイル右腕のジャスティン・バーランダー、老雄ケニー・ロジャースら投手中心のチームだけに、間近で見渡せる40ドルの「インフィールド・ボックス」、ブルペンを見られる15ドルのレフト側「パビリオン席」がお勧めの観戦ポイントだ。


U.S.セルラー・フィールド(ホワイトソックス)

 1990年に旧本拠地コミスキー・パークに隣接する区域に誕生。当初は旧球場の名称を受け継いだが、2003年から現在の名称に変更した。メジャーリーグ最高の興行主といわれた元オーナーのビル・ヴィーク氏が考案した数々の楽しいアトラクションが旧球場から引き継がれている。ホワイトソックスの選手が本塁打を打つと、スコアボードにある7つの風車が点滅しながら回転し花火が打ち上がる演出。また、外野スタンドにあるピクニックエリアもその遺産だ。さらに、本塁打が出たときや相手の投手が降板するときにハモンドオルガンの演奏とともにファンが大合唱する“Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye”、試合終了後に流される“Sweet Home Chicago”もこの球場の名物。内野側のメインコンコースにはチームストアに隣接してホワイトソックスの殿堂博物館が設けられており、試合中も人の列が絶えない。現在は駐車場になっている旧コミスキー・パークの跡地には、大理石と白線で元のホームプレートと打席、投手版とマウンドの位置が示されている。毎年200本以上のチーム本塁打を記録している強力打線が看板だけに、外野スタンドの人気が高く、特にポール・コナーコ、ジャーメイン・ダイ、井口資仁の一発が飛んでくるレフト側のセクション157〜159の「ロウワー・リザーブド」は競争率も高い。


ジェイコブス・フィールド(インディアンス)

 「湖上の大失敗作」と呼ばれたクリーブランド・スタジアムに代わる新本拠地として、1994年に市の再開発計画で作られたゲートウェイ・スポーツコンプレックスの一角にNBA(米プロバスケットボール協会)キャバリアーズのアリーナとともに誕生。この球場を建設するため、クリーブランド市民は最近まで酒とタバコに特別税をかけられていた。またクリーブランドは「ロックンロール」という言葉が生まれた場所でもあり、それを記念して「ロックンロールの殿堂」もこの地にある。工業都市として繁栄した同市のカラーを生かし、鉄骨を強調。また、煙突を連想させる照明塔など、独特のデザインでも親しまれている。チームが毎年プレーオフに進出し、生え抜きのスター選手も多かったため、95年6月12日からから2001年4月4日まで445試合連続入場券完売の記録を樹立。しかし、近年は観客動員数が伸び悩んでいる。球場内の飲食メニューは極めて多く、ハンバーガーやピザ、ホットドッグといったおなじみのアメリカンフードのほか、「Sushi Market」が開設され、すしや照り焼きチキン、アジア料理なども提供。ことしは開幕戦に合わせて外野スタンドの一角に「ヘリテージ・パーク」がオープンする予定で、インディアンスの名選手たちの殿堂コーナーなどが設けられる。


カウフマン・スタジアム(ロイヤルズ)

1973年にロイヤルズ・スタジアムとしてオープンし、球団創設と球場建設に尽力した当時のオーナー、ユーイング・カウフマン氏の功績をたたえて93年に現在の名称になった。NFL(米ナショナル・フットボールリーグ)チーフスの本拠地アローヘッドスタジアムとともに野球専用として建設。そのため築30年を経た現在も、建て替えの話がまったく出ておらず、観戦するにもプレーするにも最高の環境と言われている。雨が多い気候から、当初は人工芝が敷かれていたが、94年から95年の長期ストライキ中に全面天然芝に張り替えられ、その評判をさらに高めている。内野からの延長部分を除いて外野スタンドがなく、両翼に幅100m近くにわたって噴水を設置。ロイヤルズのエンブレムである王冠マークをかたどったスコアボードとともに、この球場の名物になっている。両翼は平均的だが、中堅、左右中間が広いためメジャーで最も本塁打の出にくい球場の一つに数えられており、2000年以降、ロイヤルズがここで記録したチーム本塁打数の最高は02年の88本。本塁側入り口横にはチームストア、内野スタンドのコンコースには殿堂入りの大打者ジョージ・ブレットをはじめチームの功労者をたたえる「Hall of Fame」がある。

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