☆出血性ショックなどで、患者のABO型検査を行う時間的余裕がない場合
①患者・家族にABO型不適合による溶血の危険性のないO型赤血球MAPを輸血することを説明し、同意を得る。
②輸血前に患者から検査用に採血する。
③放射線照射済みO型赤血球MAPを交差適合試験を省略して輸血する。
④血液型が判明した時点で、交差適合試験適合の照射済み同型血の輸血にする。
☆大量出血などで同型の血液が不足し、かつO 型赤血球MAPが利用可能な場合も同様に
O 型赤血球MAPを輸血する。
赤血球輸血のメジャー・ミスマッチで、不適合輸血の症状が現れた場合は
①直ちに輸血を中止する。
②留置針はそのまま残し、接続部で新しい輸液セットに交換して、乳酸リンゲル液2∼3リットル
(ラクテック注、ハルトマン液等)を2時間程度で急速に輸液し、血圧維持と利尿につとめる。
③バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数)を15分毎にチェックし記録する。
血圧低下が見られた時は塩酸ドパミン(イノバン又はカコージン:3∼5μg/kg/min)を投与する。
④導尿し、時間尿を測定する。乏尿(時間尿が50ml以下)の場合は、利尿剤(ラシックス等)を静注し、
1㎖/㎏/hr以上の尿量を確保する。
輸液療法、利尿剤投与に反応せず、乏尿あるいは無尿となった場合は、直ちに集中治療専門医や
腎専門医にコンサルトし、血液透析などの治療を受ける。
⑤患者から採血し、間接ビリルビン、LDH、ハプトグロビンなどで溶血の程度を把握するとともに、
ABO型オモテ・ウラ検査を再検する。
また、件の血液バッグは輸血部に提出し、バッグ内の血液のABO型を確認する。
⑥FDP、フィブリノゲン、プロトロンビン時間、血小板数などを検査し、DICの合併をチェックする。
注:赤血球輸血のメジャーミスマッチとは
O型の患者にO型以外の赤血球輸血
A型の患者にB型またはAB型の赤血球輸血
B型の患者にA型またはAB型の赤血球輸血 を行った場合を指す
Sep 11, 2007
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