Sep 22, 2007

Hemodialysis or Peritoneal dialysis

血液透析と腹膜透析の比較
 
腹膜透析が血液透析に比べ優れている点
透析による拘束時間が短い(透析液の交換時、自動交換装置のセットアップ時など、1回30分程度×1日4回程度)
◆通院は月1回程度で済む。自宅や職場で透析が可能
◆以上のことから、自由時間が多く、社会復帰(仕事・学校)の可能性が高い
◆通院が肉体的(体動困難・体力低下)・物理的(施設まで遠い・交通手段が無い)・社会的(経済的問題・家族の協力がない)に困難でもできる
◆カリウム制限が無く、蛋白摂取が推奨されるなど、食事制限がより軽い
◆透析による血圧の変動が少なく、透析中の血圧低下による気分不快が無く、又、心臓の悪い人でも安定した透析が可能
◆血液を扱わないので、出血・血液を介した感染(肝炎ウィルスなど)の危険性が無く、抗凝固薬の必要もない(出血傾向のある患者で使い易い)
◆ブラッドアクセスが必要ないので血管の細い人、無い人でもできる。穿刺の必要が無い
◆自己の腎機能がより長く保てる
◆貧血の程度が軽い

腹膜透析が血液透析に比べ劣っている点
◆腹膜透析カテーテルの手術(局所麻酔から全身麻酔まで麻酔方法は個人によって違う)と言う中規模の手術が必要
◆透析は全て本人や家族・ヘルパーが行なう必要がある
◆自己管理のため、きちんとした透析をしないで過ごす可能性がある(自己管理のきちんとできない人では問題がある)
◆腹部の大きな手術や複数に渡る手術をしたり、ストーマのある患者ではできない
◆低栄養や糖尿病はそれぞれ蛋白の透析液への喪失、糖分の透析液からの吸収により悪化する可能性がある
◆腹膜炎の危険性がある
◆被嚢性腹膜硬化症という重大な合併症の可能性がある
◆腹膜の透析膜としての寿命がある(約半数が平均7年で腹膜透析が出来なくなっている)
◆体の大きい人(筋肉量の多い人)では透析効率が悪い

腹膜透析の禁忌
◆手術・炎症による高度な腹膜癒着やストーマの存在
◆腹腔内の占拠性病変(腫瘍・巨大嚢胞腎など)や感染症・高度の炎症の存在
◆自己管理が性格・体力低下・家族の協力が得られない・医学的問題などできちんと出来ない
◆高度の低栄養(高度のネフローゼ)
◆慢性閉塞性肺疾患

腹膜透析の絶対適応
◆高度の心機能障害
◆透析施設への定期的通院が困難
◆血液透析用ブラッドアクセスの作成が困難
◆仕事・就学などで拘束時間が少ない必要がある場合

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