Jul 12, 2008

Breast canser - Risk factor, therapy






【APBIとは何か】
乳房温存療法において標準的な放射線治療は全乳房照射であり,総線量50 Gy,一回線量 2 Gy,5 週間というのが最も一般的な方法である.
しかしAPBIでは腫瘍床のみに対して大線量小分割照射および一日二回照射をもちいて一週間以内に放射線治療を終了させるというものである.

【なぜAPBIなのか】
(1)乳房温存療法において放射線治療の役割は患側乳房内再発の予防であるが,これまでの経験から乳房内再発の2/3以上は原発腫瘍床の近傍に起こることがわかっている.したがって腫瘍床近傍のみに照射しても乳房内再発の2/3程度は予防できると期待できるし,それ以外の部位に再発した場合も再照射が可能なので放射線治療を含む再温存治療の可能性が残る.
(2)照射のための通院の時間や手間を理由に放射線治療を受けないような患者を減
らすことが期待される.
(3)放射線治療が一週間程度で完了する場合,遠隔成績に悪影響を与えず放射線治療を化学
療法に先行させることが可能になる.


【APBIの方法とそれぞれの問題点】
欧米では,
(1)組織内照射,
(2)バルーンアプリケータ(Mammosite)を用いた腔内照射,
(3)3 次元外照射,
(4)術中照射が試行されている.組織内照射は術者の手技に負うところが大きく,多数例を治
療するには不利である.Mammositeではバルーンが腫瘍摘出腔の壁に密着せず試行不可能な症例があるという.外照射は病理の最終診断を元に治療計画を行えるが,皮膚や胸壁の線量が増えるという欠点がある.術中照射は最も所要期間の短い治療であるが病理診断は術中迅速診断に頼らざるを得ない.

【日本人に適した方法とは?】
3 次元外照射は,多くの施設で現有の装備で対応が可能であるが,日本人の平均的な乳房サイズでは皮膚や胸壁の線量制約を遵守することが困難であり,特に内側乳癌では外照射によるAPBIはほとんど不可能である.術中照射や組織内照射はこの点有望な方法であるが,実施できる施設が限られている.

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