Dec 7, 2007

AIDS

国連合同エイズ計画(UNAIDS)と世界保健機関(WHO)は、エイズに関する07年の最新推計で、アジア、アフリカ諸国で感染者の把握体制が向上したことなどを理由に推計を見直し、昨年時点の感染者数を3950万人から3270万人に大幅に下方修正した。そのうえで最新の感染者数を3320万人と推計。増え続けてきた感染者数は頭打ちになったとの見方を示した。

 UNAIDSは下方修正について、インド政府が今年、推計方法を改めて感染者数を300万人以上下方修正したことが最大の要因と説明。加えて、ケニア、ナイジェリアなどアフリカの5カ国でも調査方法をより正確なものに変えた結果、感染者数が減った。インドとこれらのアフリカ5カ国の減少が、下方修正分700万人近くの7割を占めるとしている。また今回、UNAIDSが01年以来の推計・分析方法の抜本見直しをしたことも影響しているとした。

 今回の推計では、07年に新たに感染した人は250万人、エイズによる死者数は210万人。毎年の感染者は90年代後半の年約300万人をピークに減少し始めたと分析。死者数も感染者の生存期間が長くなっていることから減った。

 サハラ砂漠以南のアフリカ諸国に世界の感染者の68%が集中するなどアフリカの状況は依然深刻。続くアジア地域ではインドが250万人で最多。タイやカンボジアで感染率が下がり始めた一方、ベトナムやインドネシアでは高まっている。

 国際的な資金拠出を得るためにこれまで感染者数を過大に推計していたのではないかとの指摘が出ていることについてWHOは「精度を上げるため推計方法は透明性を保ちながら変更している。意図的な『水増し』の形跡はない」と反論した。

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