Dec 18, 2007

iPhone × DoCoMo

欧米の携帯キャリアとiPhone販売契約を結んだAppleは今、世界で最も大規模で洗練された携帯電話市場である日本への参入計画を練っているところだ。

 この件に詳しい複数の筋は、Appleのスティーブ・ジョブズCEOが最近、NTTドコモの中村維夫社長に会い、ドコモからiPhoneを販売する契約について話をしたという。さらにこの情報筋は、Appleはソフトバンクモバイルとも話し合っており、両社の幹部は何度もApple本社を訪れたとしている。

 Apple、ドコモ、ソフトバンクの広報担当者はコメントを控えた。

 Appleにとって、日本で早期に提携キャリアを見つけることは、同社が何度も掲げてきた目標「2007年6月の発売から2008年末までにiPhoneを約1000万台出荷し、世界携帯電話市場で1%のシェアを取る」を実現する上で重要な一歩となる。

 日本は魅力的な市場だ。それは、iPodファンの強力な基盤があり、約1億人の携帯電話利用者が平均で2年おきに新機種に買い換えているからだけではない。日本の消費者は既に、デジタル放送やカメラ、音楽などの高度な機能を備えた高価な携帯電話に数百ドルを払うことに慣れている。

 独自のタッチスクリーンインタフェースとインターネット機能を持つiPhoneは、発売以来、ほかの国と同様に日本でも話題になっている。アナリストは、iPhoneは2008年に同国に進出すると予測してきた。

 iPhoneは今のところ、発売された国で成功を収めている。9月後半までの累計販売台数は140万台に上る。売り上げはウォール街の最も強気なアナリスト予測には達しなかったが、米国では最も売れたスマートフォンの1つとなっている。米国では、iPhoneは加入者数最大のキャリア AT&Tから販売されている。

 欧州では、Appleは秋に欧州のキャリアと契約した。ドイツではDeutsche Telekom傘下のT-Mobile、フランスではFrance Telecom傘下のOrange、英国ではTelefonica傘下のO2だ。Orangeは、発売から5日で3万台のiPhoneが売れたとしている。

 日本では、ソフトバンクがAppleとの提携に関心を持っていると各方面で考えられているが、事情筋は、ドコモが最初のパートナーに選ばれる可能性が高いと伝えている。Appleはこれまで、最大手の携帯キャリアと契約することをかなり好んでいるからだ。

 両社はまだ条件交渉をしていると、これらの筋は話している。障害となっているのは、加入者からの売り上げの一部をAppleが要求している点だ。この件を知る複数の筋は、Appleはほかのキャリアから受け取っているのと同じ割合を要求していると言う。一部の推定では、その割合は約10%という。

 ドコモと契約に至らなかった場合、Appleはソフトバンクに目を向けるかもしれない。ソフトバンクは、規模で勝るライバルから顧客を奪おうと積極攻勢を仕掛けてきた。事情を知るある人物は、Appleは日本のキャリアと契約するのに困難はないだろうと考えていると話している。

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