May 7, 2007

Parkinson Disease

 自治医大病院(栃木県下野市)は7日、国内で初めてとなるパーキンソン病患者への遺伝子治療の臨床研究を開始したと発表した。治療薬の効き目を良くする酵素の遺伝子を、50代の男性患者の脳に注入。今後約半年かけて安全性や効果を確かめるとしている。

 パーキンソン病は、神経伝達物質ドーパミンの不足により、震えや歩行障害が起きる。治療は、脳内でドーパミンに変わる「Lドーパ」という治療薬の服用が基本だが、病気が進行すると、ドーパミンに変える酵素AADCが減り、薬が効きにくくなる。

 今回の治療は、AADCの遺伝子を組み込んだアデノ随伴ウイルスベクター(遺伝子の運び屋)を患者の脳の4カ所に、約7時間かけて注入した。終了後、記者会見した中野今治教授によると、注入は順調に進み、患者の状態は安定している。

 米国では同じ方法が6人の患者に実施されたが、重大な副作用はみられていないという。

 同病院が昨年2月、厚生労働省に実施を申請し、同10月に承認された。〔共同〕 (23:05)

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