Oct 6, 2007

Multiple Myeloma


1) 治療の原則
 多発性骨髄腫の診断確定後、治療が必要な症例かどうかを検討致します。

* 病期IIまたはIII(Durie-Salmonの分類)
* 明らかな骨病変の存在
* M蛋白血症に関連した臓器障害、検査値異常
* M蛋白が進行性に増加する

以上のいずれかに当てはまる症例を治療の対象とします。

◎ 60歳以下の治療対象となる患者
 入院の上、造血幹細胞移植を前提とした治療を行います(高度の腎機能障害、心アミロイドーシス合併例は適応を慎重に決定します)。 通常、初回治療としてVAD療法(オンコビン、アドリアシン、デカドロン)を行います。

◎ 61歳から70歳までの治療対象となる患者
 一般状態が良好である場合、造血幹細胞移植を前提とした治療を検討します。 一般状態が不良の場合、71歳以上の症例に準じて治療します。

◎ 71歳以上
 原則としてMP療法(L−PAM(アルケラン)およびPSL(プレドニン))を行います。

2) 自家造血幹細胞移植
 現在、多発性骨髄腫(特に65歳以下)の標準的治療法と位置づけられ、生存期間の延長が証明されています。 自家造血幹細胞移植には骨髄移植(BMT)と末梢血幹細胞移植(PBSCT)の二つの方法がありますが、PBSCTの方が感染症や出血などの合併症が少なく、早期に退院が可能であることより一般的となっています。

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