ブルーベリーの一種「ラビットアイブルーベリー」の葉に、C型肝炎ウイルスや脂肪肝などに対する抑制効果があることがわかったと、宮崎大の河南洋医学部長ら産官学連携の研究チームが発表した。すでに6件の特許を申請。効率的な栽培方法もほぼ確立し、商品化や医薬品開発に向けた研究を進めている。
チームによると、試験管内の実験で、ラビットアイブルーベリーの葉の抽出物にC型肝炎ウイルスの増殖を抑える効果を確認した。抽出物の成分は分析中だが、濃度が1ミリリットル当たり1マイクログラム(マイクロは100万分の1)程度なら、健康な細胞に悪影響を及ぼさないこともわかった。
脂肪肝のラット(ネズミ)に葉を食べさせたところ、肝臓中の中性脂肪やコレステロールが低下し、血圧の降下作用や肝がんの発症を抑える効果もあった。
通常は3メートル間隔で植えるラビットアイブルーベリーの苗木を20〜30センチ間隔に密集させるなど、効率的に大量栽培する方法を確立。茶などの製品化に向けた加工技術も開発した。
この種は国内でほとんど生産されていないが、紫外線が多く温暖な宮崎県は栽培適地とわかり、商品化に向けた栽培も始まった。河南部長は「医農の連携による成果として極めて独創的だ」と成果を強調。宮崎大やチームに加わった宮崎県産業支援財団などは、ブルーベリーの葉の成分の抽出方法や新規用途などについて特許を出願している。
チームには宮崎、鹿児島両大学の医学・農学の研究者や宮崎県の焼酎メーカー雲海酒造などの企業が参加し、04年1月から研究を始めた。科学技術振興機構から5年間で約13億円の支援を受けている。
Mar 6, 2007
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