Mar 15, 2007

Multiple-drug resistant Pseudomonas aeruginosa

 大学病院など地域の中核的な医療機関の8割で、抗生物質の効かない多剤耐性緑膿菌(りょくのうきん)(MDRP)に感染した入院患者が確認されていることが15日、厚生労働省研究班(主任研究者=荒川宜親・国立感染症研究所細菌第二部長)の初の全国調査でわかった。MDRPはここ数年、院内感染で死者の出るケースが相次いでおり、全国的な広がりをみせている実態が裏づけられた。

 MDRPは、国内では90年代後半から報告されるようになり、04年以降は、大阪大や京都大、長崎大、埼玉医科大などの病院で、死者の出る院内感染が起きている。

 研究班は、全国の中核的な医療機関538施設にアンケートを実施。回答のあった339施設(63.0%)を分析し、15日、厚労省の院内感染対策中央会議に報告した。

 03年1月〜06年6月の3年半に、1人以上の入院患者からMDRPが見つかったのは291施設(85.8%)。多くは患者の尿やたんから見つかった。地域的な偏りはなく、研究班は「菌が各地で新興し始めていることが明らかになった」としている。

 MDRPが見つかった医療機関の90%では、感染者数は年平均2.8〜4.6人(1千病床あたり)だった。しかし残り10%の医療機関では年平均20人(同)を超えており、中には150人に達する施設もあった。

 また、339施設で見つかった感染者数は、03年の月平均103人から04年は140人、05年164人、06年148人と増える傾向にあった。

 MDRPは、手洗い場やトイレなどの水回りに多く、手などを介して広がり傷口などから体内に入る。内視鏡などの医療器具が感染源になったケースもある。研究班は、継続して多くの感染者が見つかった11施設を訪れて衛生管理を改善した結果、感染者数は減りつつあるという。

 国立感染症研究所の荒川部長は「全国的に広がってはいるものの、全般的に感染者数は低いレベルにあるといえる。ただ、一部に感染者数が多い病院があることがわかったので、スタッフを派遣するなどして対策の強化を支援していきたい」と話している。

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